株式投資や資産運用に興味があるけど、何から始めればいいかわからないという方は多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが、インデックス投資です。
インデックス投資とは、市場の値動きを示す指数(=インデックス)の値動きに連動する投資手法です。
インデックス投資は、少額の資金で分散投資ができ、シンプルで分かりやすいので、投資初心者におすすめです。
本記事では、インデックス投資のメリットや注意点、始め方を解説します。
インデックス投資のメリット
インデックス投資には以下のようなメリットがあります。
- 知識や手間が少なくて済む
- コストが低い
- 分散投資ができる
- 長期的に高いリターンが期待できる
- 少額から始められる
知識や手間が少なくて済む
インデックス投資では、市場全体の値動きに連動する商品(インデックスファンド)を選びます。
インデックスファンドは、その市場を構成する複数の銘柄に幅広く分散投資しています。
例えば、日本株式市場を代表する指数である「日経平均株価(日経225)」に連動するインデックスファンドを買うと、日経225に含まれる225社の株式に一括して投資したことになります。
このように、インデックスファンドを使えば、個別の銘柄や企業の情報を調べたり、選んだりする必要がありません。
市場全体の値動きを信じて長期的に保有するだけで良いので、知識や手間が少なくて済みます。
コストが低い
インデックス投資では、運用成果を目指す商品(アクティブファンド)と比べてコストが低くなる傾向があります。
アクティブファンドは、ファンドマネジャーと呼ばれる投資のプロが企業調査や経済分析などをした上で銘柄を選ぶため、その分、コストがかかります。
これに対して、インデックスファンドは、対象とする指数と同じ銘柄を同じ比率で組み入れることが多いため、運用にかかるコストが低く抑えられます。
コストは運用成果に直接影響します。コストが低いほど、手元に残るリターンが多くなります。
分散投資ができる
インデックス投資では、市場全体の値動きに連動するため、市場が下落すれば自分の投資も下落します。
そのため、一つの市場だけに投資するのではなく、複数の市場に分散して投資することが大切です。
分散投資は、リスクを抑えるための基本的な考え方です。
一つの市場だけに投資すると、その市場の業績や株価が下がったときに大きな損失を被る可能性があります。
しかし、複数の市場に分散して投資すると、一部の市場が下がっても他の市場が上がれば相殺されるため、全体的なリターンは安定します。
インデックス投資では、日本株式だけでなく、米国株式や欧州株式、新興国株式など、さまざまな地域や国の市場に連動するインデックスファンドを選ぶことができます。
また、グローバル(全世界)に連動するインデックスファンドを選べば、一つの商品で複数の市場に分散投資することもできます。
長期的に高いリターンが期待できる
インデックス投資では、市場全体の値動きに連動するため、市場が上昇すれば自分の投資も上昇します。
市場は長期的に見れば上昇傾向にあると言われています。
例えば、日経平均株価は1986年1月2日には12,681円でしたが、2021年9月30日には29,639円まで上昇しています 。
これは約35年間で約2.3倍になったことを意味します。
もちろん、市場は短期的には大きな変動があります。
そのため、短期間で見てリターンが得られないこともあります。
インデックス投資は、長期的に市場の上昇傾向を利用する投資手法です。
そのため、短期的な利益を狙うのではなく、長期的な資産形成を目指すことが大切です。
少額から始められる
インデックス投資では、少額から始めることができます。
インデックスファンドは、一口あたりの金額が低いものが多くあります。
また、定期的に一定額を自動的に投資する「積立投資」を利用すれば、100円から始めることもできます 。
積立投資は、値が高いときは量を少なく、値が安い時は量を多く買い付ける効果があります。
これにより、長期的に平均的な価格で購入することができます。
インデックス投資の注意点
インデックス投資には以下のような注意点もあります。
- 指数以上のリターンは望めない
- 元本割れの可能性がある
- 一定の運用コストがかかる
- 短期間ではリターンが得られない可能性が高い
指数以上のリターンは望めない
インデックス投資では、指数と同じ値動きを目指すため、指数以上のリターンは望めません。
アクティブファンドは、指数よりも高いリターンを目指して運用しています。
もし、ファンドマネジャーが優秀であれば、指数よりも高いリターンを得ることも可能です。
しかし、実際には指数を上回るアクティブファンドは少なく、長期的に見ても指数に負けることが多いです 。
元本割れの可能性がある
インデックス投資では、市場全体の値動きに連動するため、市場が下落すれば自分の投資も下落します。
そのため、元本割れ(投資した金額よりも低くなること)の可能性があります。
市場は長期的に見れば上昇傾向にあると言われていますが、短期的には大きな変動があります。
そのため、短期的に見て元本割れすることも珍しくありません。
一定の運用コストがかかる
インデックス投資では、運用にかかるコストが低いとはいえ、ゼロではありません。
インデックスファンドには、信託報酬と呼ばれる運用にかかる手数料がかかります。
信託報酬は、ファンドの純資産総額に対して年率で設定されており、ファンドの価格に反映されます。
信託報酬は、インデックスファンドの種類や運用会社によって異なりますが、一般的には0.1%~0.5%程度です 。
信託報酬は、運用成果に直接影響します。信託報酬が低いほど、手元に残るリターンが多くなります。
短期間ではリターンが得られない可能性が高い
インデックス投資では、市場全体の値動きに連動するため、市場が上昇すれば自分の投資も上昇します。
しかし、市場は短期的には大きな変動があります。
そのため、短期間で見てリターンが得られないこともあります。
インデックス投資は、長期的に市場の上昇傾向を利用する投資手法です。
そのため、短期的な利益を狙うのではなく、長期的な資産形成を目指すことが大切です。
インデックス投資の始め方
インデックス投資を始めるためには、以下の3つのステップを踏みます。
- 証券会社の口座を開設する
- インデックスファンドを選ぶ
- 積立投資を設定する
証券会社の口座を開設する
インデックス投資をするためには、まず証券会社の口座を開設する必要があります。
証券会社の口座は、オンラインで申し込むことができます。
口座開設に必要なものは、本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)とマイナンバーカード(または通知カード)です。
口座開設後は、インデックス投資に使う資金を入金します。
インデックスファンドを選ぶ
次に、インデックス投資に使う商品(インデックスファンド)を選びます。
インデックスファンドは、投資信託や上場投資信託(ETF)という形態で販売されています。
投資信託とETFの違いは、ETFは証券取引所に上場しているという点です。
また、ETFの方が手数料や税金などのコストが低いとされますが、投資信託の方が商品数が多いというメリットがあります。
インデックスファンドを選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
- 対象とする指数
- 信託報酬
- 分配金
- 為替ヘッジ
対象とする指数は、自分が投資したい市場や地域、国などによって異なります。
信託報酬は、運用にかかるコストであり、低いほど良いです。
分配金は、ファンドから受け取る利益であり、高いほど良いです。
為替ヘッジは、外国株式に投資する場合に為替変動の影響を軽減する仕組みであり、必要かどうかは自分のリスク許容度によって異なります。
積立投資を設定する
最後に、積立投資を設定します。
積立投資とは、毎月決まった日に決まった金額でインデックスファンドを自動的に買うサービスです。
積立投資を利用すれば、値段が高いときも安いときも同じ金額で買えるため、長期的に平均的な価格で購入できます。
また、毎月コツコツと積み立てることで、長期的な資産形成が可能です。
積立投資を設定する際には、以下の点に注意しましょう。
- 積立金額
- 積立日
- 積立期間
積立金額は、自分の収入や支出などから無理のない範囲で決めましょう。
積立日は、給料日やボーナス日などから考えて決めましょう。
積立期間は、自分の目標や計画などから考えて決めましょう。
まとめ
インデックス投資は、市場全体の値動きに連動する投資手法です。
知識や手間が少なくて済み、コストが低く、分散投資ができ、長期的に高いリターンが期待できるというメリットがあります。
一方で、指数以上のリターンは望めない、元本割れの可能性がある、一定の運用コストがかかる、短期間ではリターンが得られない可能性が高いという注意点もあります。
インデックス投資を始めるためには、証券会社の口座を開設し、インデックスファンドを選び、積立投資を設定するという3つのステップを踏みます。
インデックス投資は、投資初心者にもおすすめの投資手法です。
市場全体の値動きを信じて、長期的な資産形成を目指しましょう。